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2005年8月16日 (火)

預金取引履歴の開示請求についての参考文献と論点

先日来、貸金取引に関する取引履歴の開示についての判決、パブコメを紹介しましたが、本日は、預金取引についての文献と論点の紹介です。

野村豊弘「預金取引の取引経過の開示請求」金融法務事情1746号8頁

野村先生は、取引履歴を開示することを認める見解のようです。開示請求の法的根拠について、委任に関する民法645条を類推適用、付随義務、信義則の3つが考えられるとしています。

ただ、この文献は、貸金に関する取引履歴開示に関する最高裁判決前の論考だと思われますので、今後、同判決をふまえた論考がでることになるでしょう。預金の取引履歴開示に関しては、現在下級審判決しかでていませんが(個人情報保護と対策改訂版61頁以下参照)、預金の取引履歴開示とくらべると貸金の取引履歴の開示の方がより、法的根拠が薄いと考えられることからすると、預金の取引履歴開示についても、開示を認める方向に向かうのではないでしょうか。

ただし、預金の取引履歴の開示に関しては、預金者の相続人による開示という論点があり、取引履歴開示請求権の相続の可否、相続人が単独で行使できるのか、死者のプライバシーをどう考えるかという別の論点がありますので、まだまだ議論は続くことになるでしょう。

なお、個人情報保護法の開示請求との関係については特にふれられていませんでした。今後提起される訴訟では、付随義務、信義則上の根拠として個人情報保護法が援用されることになるでしょう。その場合でも、死者の情報は個人情報に該当しないため、相続財産に関する情報が相続人の個人情報に該当するのかという論点が問題となります。

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