« 派遣社員と誓約書 | トップページ | 平成17年度情報モラル啓発セミナー(大阪)で講演します »

2005年11月10日 (木)

国民生活センター「最近の個人情報相談事例にみる動向と問題点」について

国民生活センターのサイトで「最近の個人情報相談事例にみる動向と問題点-法へのいわゆる「過剰反応」を含めて-」が公表されています。

この公表結果を受けて、新聞等で個人情報に対する過剰反応ということで結構大きく取り上げられましたので、ご存じの方も多いでしょう。

 過剰反応の点ですが、主として第三者提供が問題とされています(具体例については、同報告参照)。

 過剰反応ということですが、事業者の側とすれば、過剰反応せざるを得ないのではないでしょうか。さまざまな事例が紹介されていますが、法律の例外規定などで処理ができるとしても、本人のクレームへの対処(法律に従っていてもクレームはでます)、場合によっては監督官庁への対応が必要になってくるので、事業者にメリットがなければ、個人情報を提供しないという態度に出るのは当然ということになります。

 同報告書では、過剰反応への今後の対応の方策として、解釈基準の明確化ということを言っていますが、いくつか具体例をあげるという程度では、事業者の対応は変わらないのではないでしょうか。おそらく、これは大丈夫というような詳細な事例のリスト(ホワイトリスト)が掲載されたガイドラインでもない限り実態は変わらないのではないかと思います(経済産業分野のガイドラインは比較的具体的だと思いますが、ここでいっているのは、もっと詳細なものをイメージしています)。

 また、過剰反応のもう一つの理由は、個人情報保護法ではなく、プライバシー侵害の問題だと思います。個人情報保護法上適法だとしても、プライバシー侵害になりうるという問題です。これは各監督官庁でのガイドラインの整備という対応はとれません。

 内閣府国民生活審議会の個人情報保護部会で個人情報保護法の見直しを検討するようですが、プライバシーに関する判例法理と個人情報保護法との関係も視野に入れて欲しいと思います。

 情報の流れをせき止めるような法律は安易に作ってはいけないと思っているのですが、個人情報の有用性に対する配慮が不十分であったということではないかと感じています。

 今回の報告は他にもいろいろと考えるところがありますので、適宜本blogで取り上げていきたいと思います。

|

« 派遣社員と誓約書 | トップページ | 平成17年度情報モラル啓発セミナー(大阪)で講演します »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/125798/7020563

この記事へのトラックバック一覧です: 国民生活センター「最近の個人情報相談事例にみる動向と問題点」について:

« 派遣社員と誓約書 | トップページ | 平成17年度情報モラル啓発セミナー(大阪)で講演します »